眠りのプロショップSawada 快眠寝具研究室

快眠のための寝具・睡眠環境とは?
睡眠障害や眠りのトラブルをどのように解決していくか


滋賀医科大学宮崎教授が睡眠講座をされる時に、時々時間をいただいて睡眠環境のお話をさせていただくことがあります。
その際に使うテキスト「快適睡眠のための環境と寝具」です。

よりストレスの少ない睡眠環境を

快適な睡眠環境を整えるには下図のような多くの要素があります。
多くは、環境が悪いとストレスが増える方向のものが多いですが、音楽やアロマテラピーなどのようにストレスを減らす方向に作用するものもあります。また、上質な綿や絹など、素材の肌触りの良さもストレスを減らします。
しかしながら、これらの要素は温度や湿度、光の量や、騒音などある程度数値化して表せるものもあれば、音楽・香り・色彩などは非常に主観的な好みに左右されるものも少なくありません。

「秋を感じさせる夏の夜に、蚊帳をつって外の虫の音を聞きながら夜風に吹かれて眠る」
温度や湿度、音の絶対値からいえば決して良い条件ではありませんが、いかにも自然の中で眠るというイメージです。エアコンで温湿度を調整して眠るよりは、自然の代謝に任せた方が、少々不快でも健康的でしょう。


快適な睡眠のための寝具をどのように選ぶのか?

睡眠の質を向上させる快適な寝具とはどういうことなのか?
次の3つの要素を満足することによって、満たされるのではないかと私たちは考えます。

 1:.ヒトにとって最適な温度と湿度を維持することができる(寝床内気候は温度33℃湿度50%
 2:自然でストレスのない寝姿勢を維持することができる(S字カーブの保持と適度な体圧分散
 3:触感・温感・冷感など、主観的に「気持ちが良い」という使用感


また一方で、体質や年齢による違い、アレルギーや腰痛・肩こりなどの身体のトラブルなどに対処したことも考える必要があります。
社会的な意味合いとして、粗大ゴミの1が寝具、ということからも、長く使えて廃棄時に環境への負荷をかけないような素材を選ぶこと、省エネを推進するようなものなどが求められます。



なぜ、寝具の決定版が生まれないか

寝具は睡眠にとって非常に重要な役割を果たすにもかかわらず、睡眠との関係が明快になっていないという現状があります。それは寝具選びが実に多くのファクター(要素)から成り立っているからです。温度や湿度の問題、整体的な問題、接触温感の問題等の寝具性能に対して、使う人も睡眠障害であったり、肩こりや腰痛であったりと要求もさまざまです。仰向け寝か横向け寝という違いもあります。現状では、それらの要素から「これだ!」という明快な答えを出すことはできません。

睡眠の質を計測する方法はいくつかあります。主観的な睡眠品質の評価としてはアメリカで作られたPSQI(ピッツバーグ睡眠品質指標)がありますが、客観的に評価をするとなると、終夜睡眠ポリグラフィ試験があります。ところが、睡眠ポリグラフィテストは多額の費用がかかる上に、体中にセンサーを付けるわけですから、一晩だけでは正確な評価ができません。

さらに、性別や体質別、寝姿勢の差異、寝具の違いを含めた膨大なパラメーターの中から正しい結果を出そうと思うと、被験者も数が多く要りますし、それぞれの被験者に対してさまざまな寝具の試験をするということは事実上難しいのが現状です。

しかも、寝具になれるにはある程度の時間が必要です。通常2週間は必要だとされていますが、そこまで考えると、大変です。

しかしながら一方で「これさえ使えば解決、究極の寝具」のようなイメージで販売されている製品がありますが、これだけの違いを一種類で全て対応しようということ自体に無理があることにお気づきでしょう。

靴を選ぶように、それぞれの体質や年齢などに合わせた寝具選びが必要なのです。

自然快眠理論NSP(Natural-Sleeping Theory)

寝具選びの基準をどのようにしていくのか、そのために、私たちは長年の取り組みから1つの基本姿勢を決めました。それが自然快眠理論(Natural-sleeping Theory)です。

この考え方の基本は「自然な眠りのリズム」と「自然素材の寝具」から成り立ちます。ヒトは通常なら、生体リズムや脳/身体の疲労度に従って必要な睡眠を取ろうとします。これが自然な眠りのリズムです。ところが、「暑い」、「寒い」、「蒸し暑い」、「硬すぎる」、「柔らかすぎる」などの寝具の状態、あるいは「まぶしい」「うるさい」など、さまざまな睡眠環境の問題によってストレスが高じ、睡眠が妨げられます。これらを人工的に作り出すのではなく、基本的には良質な自然素材を使って眠ることが、快適で気持ちの良いストレスの少ない睡眠環境を作り出し、ヒト本来の自然な眠りのリズムを作り出すのではないかという理論です。

もちろん、この理論は仮説にすぎません。しかし、上質な自然素材で眠ることは気持ちが良いということを私たちは経験的に理解しています。温度や光を含めた理想的な睡眠環境を人工的に作りだすことは可能かもしれませんが、ヒト本来のあるべき自然な姿を求めていくことが、最もストレスを少ない状態を作っていけるのではないでしょうか。

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