眠りのプロショップSawada 快眠寝具研究室

睡眠12か条 と 寝具選びの12か条

滋賀医科大学睡眠学講座と滋賀大学教育学部がまとめた快眠のための睡眠12か条、眠りのプロショップSawadaが製作した寝具選びの12か条をご紹介します。


健やかな体をつくる睡眠6ケ条

1.同じ時刻に毎朝起床
毎朝の早起きが早寝に通じる。休日に遅くまで寝床にいない。

一般的に規則正しい生活とは,早寝早起きの生活と信じられてきました。しかし,毎朝同じ時刻に起床し,起床後はなるべく早く日光を浴びることが速やかで快適な入眠をもたらすことがわかってきました。起床後に太陽の光を浴びることは,体内時計のリズムをリセットする重要性があります。早寝早起きの生活パターンにする場合には,早寝からでなく,むしろ早起きから始めます。朝は起床時刻を一定にし,雨戸やカーテンを開けて外の光を室内に取り入れ,できれば散歩などで太陽の光を浴びることが大切です。
休日は,少しでも睡眠時間を稼ごうとして朝遅くまで床の中で過ごしがちですが,このような場合には朝の光を浴びることができないために,その夜は寝つきが遅くなり,休み明けの朝に起きるのがつらくなります。休日はいつもとあまり変わらない時刻に起床し,朝の光を浴びるようにするのが好ましいのです。


2.朝の光で体内時計をスイッチオン
目覚めたら光を浴びてスイッチオン。その15時間後に眠りの準備。

起床後に太陽の光を浴びて体内時計のリズムがリセットされると,そこから約15〜16時間後に眠気が出現します。光による朝のリセットが行われないと,その夜は寝つくことのできる時刻が約1時間遅れます。通常,室内の明るさは太陽光の10〜20分の1程度であり,曇りの日でも屋外では室内の5〜10倍の明るさがあります。このため,起床後2時間以上にわたって暗い室内にいると,体内時計のリセットが行われません。体内時計のリズムをきちんとリセットするには,起床後はなるべく早く太陽の光を浴びることが必要です。朝に光を浴びると寝つきがよくなり,睡眠も深くなります。
家の中にいることが多く,太陽光を浴びる時間が少ないと,実質的な日の長さが短くなり,身体が冬のモードになります。そのために睡眠が浅くなり,かつ延長します。また,日本では,蛍光灯による明るめの室内照明が好まれますが,夜間の過度に明るい室内照明は,体内時計のリズムを遅らせることとなり,自然な入眠時刻が遅れることになります。


3.よい睡眠に規則正しい食事と運動習慣
朝食は心と体の目覚めに重要。運動習慣は眠りを深くする。

1日が始まる朝に,朝食をしっかり食べて栄養を摂取することは,脳へのエネルギー補給となり,体温を高めて,活動レベルをあげることに役立ちます。規則正しく朝食を摂っていると,その1時間ほど前から消化器系の活動が活発になり,朝の目覚めを促進することになります。
夜食を多く摂ると寝つきが悪くなり,夜中に目が覚め,睡眠の質を悪化させることになります。食物の消化が終らず,眠る時間帯に消化器系が活発に活動していると,睡眠が妨げられます。特に,タンパク質の多い食物ではこの傾向が強くなります。夕食は入眠の3時間前にはすませ,空腹のために寝つけない場合には,消化のよいものを少量摂るようにします。
昼間の運動が夜間の睡眠を安定させ,睡眠の質を改善することがわかっています。日本の成人を対象とした調査では,運動習慣のある人は不眠になりにくいという結果がでています。
運動の内容としては,30分程度のウォーキング,ランニング,スイミング,サイクリングなど,軽く汗ばむ程度がよいのです。運動の好みや体力に応じて無理のない長続きする方法で,毎日規則的に運動することが入眠に効果的です。


4.眠りは脳や体を休ませ,記憶をよくする
深いノンレム睡眠で疲労回復。レム睡眠では記憶や感情を整理。

眠りは大脳を適切に管理するために必要であり,脳や体を休ませるだけでなく,能動的に大脳を点検・修理して保全する役割をもっています。また,大脳の休息を解いて活性化をはかり,覚醒への準備をする役割もあります。
睡眠全体の75〜80%はノンレム睡眠で占められていますが,ノンレム睡眠時には脳の代謝量は低下し,それに伴って脳温も低下します。この脳の冷却作用は,脳の疲労回復に関係しています。
レム睡眠は一晩に4〜5回みられ,睡眠全体の20%程度です。レム睡眠時には記憶や感情の整理をはかる作用をもっています。技能の習得や記憶の固定に重要な役割をもっており,学習効果をあげるためにはレム睡眠を確保することが大切です。


5.眠る前は自分なりにリラックス
軽い読書や音楽,ぬるめの入浴,軽いストレッチングで心と体をリラックス。

寝る前に緊張や強い刺激があると,入眠が妨げられます。覚醒から睡眠にスムーズに移行させるためには,緊張や刺激を取り除くことが必要です。入床前にリラックスできれば,入睡しやすくなります。いろいろなリラックス法が推奨されていますが,いずれも直接的に睡眠を誘う効果はなく,入眠を妨げる要因を減らすことによる間接的効果にすぎません。自分に合ったリラックス法を見つけることが大切です。
心や体をリラックスさせるために,軽い読書や音楽,ぬるめの入浴,心地よい香り,軽いストレッチングによる筋肉への働きかけなどが好まれています。特に,体温が下降する時期に入眠しやすくなるため,入浴では就床前の30〜60分前に,40℃前後のぬるめのお湯にすると効果的です。
カフェインは覚醒作用を持つ代表的な物質であり,日本茶,コーヒー,紅茶,ココアにはもちろんのこと,コーラなどのソフトドリンク,栄養・健康ドリンク剤,チョコレートなどにも多く含まれています。よく知られているように,カフェインの覚醒作用は入眠を妨げ,中途覚醒を増加させます。カフェインの覚醒作用は摂取後およそ30〜40分後に発現し,4〜5時間持続しますので,就床前4時間のカフェイン摂取を避けるようにします。また,カフェインには利尿効果があり,尿意で目が覚めて中途覚醒の原因にもなります。


6.睡眠時間は日中の眠気で困らなければそれで十分
必要な睡眠時間は人によって異なる。短くても熟睡感が大切。

実際に何時間眠れたら健康かという間に答えをだすのは難しいことです。日中にしっかり覚醒して過ごせるかどうかを睡眠充足の目安として,睡眠時間そのものにこだわらないことが大切です。必要な睡眠時間は個人によって異なり,長ければ長いほどよいわけではありません。睡眠時間にこだわりすぎると,かえって睡眠が浅くなったり,不眠におちいることがあります。朝の目覚めが心地よく,日中に過剰な眠気がなければ,それで十分足りているということになります。
日中の眠気がひどかったり,平日と比べて週末には3時間以上長く眠らないといられないようなら,睡眠不足と判断します。必要以上に長い時間を床に入って過ごすと,かえって睡眠が浅くなり,熟睡感がそこなわれます。「8時間睡眠」とよく言われますが,この科学的根拠はありません。
日本在住の成人を対象とした疫学調査では,睡眠時間が5時間以上8時間未満の人が全体の86.3%をしめ,平均睡眠時間は6.6時間です。睡眠が充実していると答えた人では,6〜7時間睡眠が40.0%ともっとも多く,ついで7〜8時間睡眠の31.6%となっています。睡眠が充実していないと答えた人では,5〜6時間睡眠が51.1%ともっとも多く,ついで6〜7時間睡眠の27.9%となっています。成人の場合,個人差はあるものの,6〜7時間前後の睡眠時間が睡眠充足の目安となります。
必要な睡眠時間は加齢の影響を受けます。睡眠ポリグラフ検査により実際に眠っている時間を調べると,2歳頃までは1日の半分以上を睡眠がしめますが,10歳代になると,睡眠時間は8〜10時間となります。成人以降の50歳代にかけては,6.5〜7.5時間となります。その後の60歳以降では,実際に眠ることのできる時間はさらに短くなり,70歳を越えると平均睡眠時間は6時間弱になります。
睡眠時間は生活様式によって影響を受けます。日中活発に過ごした場合や,睡眠不足が続いた場合には,より長い睡眠が必要となります。季節によっても睡眠時間は変わります。秋から冬にかけて,日長時間が短くなるにともなって,食欲の増進や活動性の低下などとともに睡眠時間は長くなります。春から夏にかけて,日長時間が長くなると睡眠時間は短くなります。これらの変化は,日長時間に関連した生理的変化です。


睡眠教育ハンドブック「睡眠教育のための生活指針」滋賀医科大学睡眠学講座・滋賀大学教育学部発行 より引用


快眠に向けて補足6ヶ条

7.眠くなって床につく,就床時刻にこだわりすぎない
入眠は自分の意志でコントロールできない。朝の起床時刻が入眠時刻を決める。

自然に寝つくことのできる時刻は,季節や日中の活動量などによって変化します。最近の研究によると,習慣的入眠時刻の2〜4時間前の時間帯は1日の中でもっとも寝つきにくいことがわかり,早起きや不眠の解消のために意識的にいつもより早く床についても,速やかに入眠することはできません。就床時刻はあくまでも目安であり,その日の眠気に応じて眠くなってから床につくことがスムーズな入眠への近道です。
不眠を自覚すると,床にいる時間を長くして不眠をカバーしようと早めに床についても,かえって逆効果となります。ちょっとした物音が気になったり,ささいなことが頭から離れなくなったり,不安や緊張が強まります。翌朝は早起きしないといけない場合や,今夜は眠れるだろうかと心配している場合など,眠ろうとすればするほど目がさえて眠れなくなってしまいます。こうした場合は,いったん床を出て,自分なりにリラックスし,眠気を覚えてから再度入床するのが望ましいのです。


8.昼寝をするなら,午後3時までの20〜30分
長い昼寝はかえってぽんやりのもと。夕方以降の昼寝は夜の睡眠に悪影響。

昼寝は夜の睡眠の質を低下させるといわれてきましたが,最近の研究によれば,昼食後から15時までの時間帯における30分未満の規則正しい昼寝は,夜間の睡眠に悪い影響を及ぼさないだけでなく,日中の眠気を解消し,その後の時間をすっきりと過ごすのに役立つといわれています。
午後に一時的に眠くなるのは,体内時計のリズムと関連した時刻に依存した現象です。この時間帯を過ぎると,放っておいても眠気はなくなってきますので,この時間帯をうまくやり過ごすことが大切です。30分以上の昼寝は,体と脳を眠る体制にしてしまい,かえって覚醒後にぼんやりして,しっかりと覚醒することが難しくなります。


9.眠りが浅いときは,むしろ積極的に遅寝・早起き
寝床で長く過ごしすぎると熟睡感が減少。

睡眠に対して意識過剰になると,少しでも眠ろうと床の中で長く過ごすようになりがちです。しかし,普段の入眠時刻の2〜4時間前がもっとも寝つきにくい時間帯であることから,早く床に入ってもなかなか寝つけず,よけいに不眠を自覚して不安が増します。長く床のなかにいると,かえって睡眠は浅くなり,夜中に目覚めやすくなります。このような場合,むしろ遅寝,早起きにして,就床時間を遅らせます。これにより必要なだけ床のなかで過ごすようになるため,熟睡感が増すことになります。


10.十分眠っても日中の眠気が強いときは要注意
睡眠不足で昼間の眠気が強いと,交通事故のリスクが倍近くに。

巨大な産業事故であるスリーマイル島の事故(1979年)やチャレンジャー号の爆発(1986年)など,これらは睡眠を切り詰め,非常に眠い状態での作業ミスにより起こったと推測されています。睡眠不足で昼間の眠気が強いと,交通事故のリスクが通常の倍近くなります。
眠気の調査によると,日中の過剰な眠気は成人の14.9%に認められ,若年者ほど頻度が高くなっています。これらは,睡眠不足(睡眠の量的低下)や睡眠障害(睡眠の質的低下)によるものがほとんどです。しかし,なかにはナルコレプシーに代表される過眠症という病気が隠れている場合があります。十分な睡眠時間をとるようにしても日中の眠気が改善しない場合には,専門医の受診が必要となります。


11.激しいイビキ・呼吸停止・足のびくつきは専門医に
これらの症状の背景には睡眠の病気が。専門医による治療が必要。

睡眠と関連して起こる病気によって,夜間の不眠,それによって引き起こされる日中の眠気が起こることがあります。こうした場合には,睡眠障害の専門的治療が必要となります。
睡眠時無呼吸症候群は,激しいイビキと睡眠中の頻回の呼吸停止,呼吸再開に伴う覚醒を繰り返す疾患です。このために深い睡眠を安定してとることができなくなり,夜間の不眠あるいはこれによる日中の過剰な眠気が出現します。中年以降に,特に男性に多くみられます。
むずむず脚症候群は,夜に床に入ってから数時間にわたり,じっとしていると足がむずむずしたり,ほてったりして,その不快な感覚のためになかなか寝つけないという状態になる疾患です。睡眠時周期性四肢運動障害も同様に,夜に入床してから数時間にわたって,下肢が不随意運動によって反り返るため,その知覚による刺激で足がびくんとして寝つけなくなります。足がびくついたり,むずむずしたり,ほてったりするのは,眠れない結果によると考えられがちですが,睡眠の病気による兆候です。


12.睡眠薬代わりの寝酒は不眠のもと
睡眠薬代わりの寝酒は深い睡眠を減らし,夜中に目覚める原因に。

睡眠薬代わりにアルコールを用いると,寝つきはよくなりますが,夜間の後半の睡眠が浅くなり,中途覚醒が増えるために,睡眠の質的悪化を招きます。アルコールを連用すると容易に慣れが生じ,同じ量では寝つけなくなり,その摂取量が増加します。睡眠薬代わりの寝酒は,通常の飲酒と比べて摂取量が急速に増加しやすく,アルコール過剰摂取による精神的・身体的問題が起こりやすくなります。
なお,参考までに睡眠薬についてふれます。睡眠薬に対しては,一般的に誤った見方が広がっています。「睡眠薬を飲むとぼける」とか,「癖になってだんだん量を増やさないと効かなくなる」とか,「寝酒の方が安心」とかいったものです。音便われていたバルビツール酸系睡眠薬は,耐性・依存性・離脱症状が強く,大量服薬によって死に至ることもありました。現在使われているベンゾジアゼピン系などの睡眠薬は,正しく使用すれば,こうした性質がきわめて弱く,アルコールよりも安全な薬剤になっています。


睡眠教育ハンドブック「睡眠教育のための生活指針」滋賀医科大学睡眠学講座・滋賀大学教育学部発行 より引用

快眠に向けての寝具の6ヶ条+補足6ヶ条

1.快適な寝床内は温度33℃湿度50%
湿度をうまく調節することが快眠へのカギ

快適とされる寝床内は温度が33℃湿度50%といわれます。ヒトは体温が36℃、皮膚表面温度は31.5℃程度ですから33℃という温度は体温と均衡する温度で決して不快ではありません。問題となるのは湿度で、33℃の温度では湿度が上がると不快指数が増大します。特に最近は気密性・保温性が高い住宅が増えていますので、吸放湿性の良い素材を使って、湿度をうまく調節することが快眠につながります。


2.正しい寝姿勢と、体圧分散する敷ふとん
敷ふとん(ベッド・マットレス)が睡眠の質を大きく左右します

ヒトの背骨はS字カーブを描いています。それを正しい姿勢で支えることが必要です。また、ただ単に硬くて背骨を正しく支えるだけでなく、体圧分散することで体全体で支えることが大切です。その意味からも敷ふとん(マットレス)の選択が眠りの質を大きく左右します。


3.まくらは敷ふとんと連携する。フィッテイングして選ぶこと
敷ふとんを決めてから、それに合わせてまくらを選ぶ

まくら選びは頸椎の高さと、気道の角度を合わせることにより決めますが、まくらと敷ふとんはお互いが連携しています。まず自分にあった敷ふとんを選び、その固さに合わせてまくらを決めることを強くおすすめします。また、まくらや敷ふとんを選ぶときは、実際に触るだけでなく試し寝をして、ちょうど靴を選ぶようにフィッティングすることが大切です。


4.保温の決め手は掛ふとんのフィット性
重ねるのではなく、体の周りの空気を逃がさないようにする

断熱率の高い素材は空気、だから嵩のあるふとんほど保温性があります。ただ、実際に大切なことは体温で暖まった体の周りの空気をいかに逃がさないか、ということなので、いくら保温性の良い布団を使っても、体へのフィット性が悪いと真の保温は得られません。あまり嵩高い布団を使うのではなく、ちょっと薄めのふとんを体にフィットさせて、軽い布団を重ねていくことをおすすめします。


5.入眠を誘う暖かくて上質な自然素材
吸湿性・保温性・肌触りに優れた自然素材だと入眠にやさしい

通常入眠時には深部体温を下げるために、手足などが温かくなりますが、手足が冷えたままだと熱放出がうまくいきません。入眠をスムーズにするためには、寝具には触感を含めた保温性の高い素材が望まれます。ただし@の条件から、同時に吸放湿性にも優れていることが求められます。ウールやダウン、シルクなどの上質な自然素材を使うのがおすすめです。


6.いびきや無呼吸症候群は横寝が有効
気道を確保するためには、横寝(側臥位)が有効です

いびきや睡眠時無呼吸症候群(SAS)は睡眠時に気道が狭くなることで発生します。ほおっておくと循環器系の障害を起こしやすくなるので、睡眠クリニック等での診察が必要です。寝具においては、横寝(側臥位)をとることにより、気道が確保でき症状を緩和することができます。ただ、横寝を続けるためにはウッドスプリング等を使って、肩のでっぱりをやさしく受け止めて、体圧分散をうまく行いながら、抱き枕等で姿勢を保つ工夫が必要です。


7.敷ふとんは二枚敷が原則。せんべい布団には保温吸湿能力がありません

しばしば「せんべい布団は体に良い」という話しを聞きますが、せんべい布団が良いのは硬くて薄いので、背骨のカーブが崩れないという一点のみです。長く使ってへたったわたでは、本来の汗を吸収したり保温したりという能力や体の凹凸を支える弾力性はかなり劣ってしまいます。体を支える堅めの敷きやマットレスの上に、吸湿保温、弾力性のある羊毛のような敷ふとんを重ねて使うのがベストです。


8.電気毛布は眠る前に切るべし

7.に関連して、せんべい布団1枚で寝ていて、冬寒いので電気毛布を使う方が意外に多いのですが、実は本末転倒。電気毛布は深部体温を下げないので、体が休まりません。敷ふとんは二枚敷にして保温性を確保した上で、5.に関連しますが、入眠時までふとんを十分温めて、寝るときには切ることをおすすめします。


9.アレルギー対策、汗を吸うかを確かめて

アトピーなどのアレルギー対策として、「丸洗いができる」「ほこりが出ない」という寝具が多く出回っています。これらの多くはポリエステルわた入のために、吸湿性が不十分と言えます。その結果ムレて汗をかくのでは、なんのためのアレルギー対策かわかりません。ふとんとカバー、ケットなど総合的に吸湿発散できるように寝具を考える必要があります。症状が重い場合はともかく、通常は良質の天然素材をおすすめします。


10.ゆったり眠るために、ダブルよりクイーンサイズ

日本のダブルサイズはシングルサイズの倍あるわけではありません。掛はシングル150cm巾に対しダブルは190cm巾、敷きはシングル100cm巾に対しダブルは140cm巾です。この巾は二人が寝返りを打ったり、リラックスしてゆったり眠れるというには不十分です。ダブルサイズよりさらに20cmずつ大きいクイーンサイズ(掛210cm巾、敷160cm巾)をおすすめします。


11.毛布は羽毛ふとんの上ではありません

「羽毛ふとんを使うときは、毛布は上に掛ける」とよく云われますが、必ずしも正しくありません。アクリルの重い毛布を掛けると、重量で羽毛がつぶれてしまい、逆に保温力が低下します。ウールやシルクの毛布なら下に着た方が気持ちが良いでしょう。掛ふとんと毛布はCやDにあるように、フィット性と吸湿発散性、寝たときの肌触りや心地良さを考えながらうまく組み合わせることが大切です。



12.低級品の自然素材はホコリが多いので気をつけて

いくら自然素材(羽毛・羊毛・シルク・木綿等)が体にフレンドリーといっても全てではありません。自然素材は人工素材に比べて生育条件等で質の良し悪しがはっきり出ます。表示は綿100%としていても、上質のグレードのものか、紡績時にできる落綿かでは大きく違います。低級品の自然素材だと不純物や夾雑物が多いので、ホコリが増えますから、却って良くありません。質の良し悪しを確かめることが大切です。



眠りのプロショップSawadaが作成